納得できないプランク

last up date 2009/05/12

 プランクのエネルギー量子仮説は、物理学の中に初めて「とびとび、不連続」という考えを落ち込んだ画期的なものでした。したがって今日、プランクは「量子の父」としてその偉業をたたえられています。しかし、プランク自身がその意義を理解していたかというと、どうもそうではないのです。
プランクは、黒体放射のスペクトル分布を説明しようとするときに、光のエネルギー量が不連続な値をとると考えれば、つじつまが合うとは思いました。しかし彼は同時に、従来の物理学はやはり完全なものであると信じていて、物理量を不連続なものとしてとらえるという考えにはどうもうまくなじめなかったようです。そのためプランクは生涯、従来の物理学と新しい物理学である量子論とをうまく統合することに力を注ぎました。
言うなればプランクは心ならずも新しい物理学の扉を開いてしまったわけで、しかもそれが1900年という19世紀最後の年の年末におこなわれたのは、なんとも不思議で興味深いものです。人類は19世紀の終わりと同時にニュートン以来の「常識」であった従来の物理学、これを古典物理学と呼びます---に見切りをつけ、次なる新しい世紀を席巻する量子物理学の世界へと踏み出したのです。

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@ 光のスペクトル分布を調べる
A 光のエネルギーは「小さな固まり」
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C 不連続な量という革命的な発想
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